ケリー・マクゴニガル著の「スタンフォードの自分を変える教室」を読みました。
この本は、
- 誘惑や依存症に苦しんでいる
- 物事を先延ばしにしがちだ
- やる気がでない
つまり、すべての人に捧げられた本です。
スタンフォードの自分を変える教室ってどんな本?(概要)
「スタンフォードの自分を変える教室」は2012年10月の刊行直後から話題の書となり、60万部のベストセラーとなった本です。
わたしが読んだのは文庫版で、ページ数は366ページでした。
著者の「ケリー・マクゴニガル」さんって?
スタンフォード大学の心理学者で、「意志力の科学」をはじめ「思いやりの科学」「マインドフルネスの科学」など興味深い授業を展開しています。
なかでも「意志力の科学」は人生を変える授業と絶賛され、大人気を博しています。
彼女の授業は高い評価を受け、同大学で最も優秀な教職員に贈られるウォルター・J・ゴアズ賞をはじめ数々の賞を受賞。2010年には「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」にも選ばれています。
「スタンフォードの自分を変える教室」の目次は?
intoroduction 「自分を変える教室」へようこそ
第1章 やる力、やならい力、望む力
第2章 意志力の本能
第3章 疲れていると抵抗できない
第4章 罪のライセンス
第5章 脳が大きなウソをつく
第6章 どうにでもなれ
第7章 将来を売りとばす
第8章 感染した!
第9章 この章は読まないで
第10章 おわりに
ポイント抜粋
本書は10週の講義を受講するようなかたちで構成されています。
各章で重要なポイントを一つ取り上げ解説したあと、2種類の課題が用意されています。
ひとつは「マイクロスコープ(顕微鏡)」で、このコーナーではその章で説明するポイントが、みなさんの生活に当てはまることに気づいてもらうためのものです。
もう一つは「意志力の実験」で、自己コントロールを強化するための実践的な戦略です。
自己コントロールのための新しい戦略を毎週一つずつ試していく、10週間トレーニングのかたちを取っています。
以下に印象的だった章を3つ抜粋します。
第1章「やる力」「やらない力」「望む力」のポイント
意志力には「やる力」「やならい力」「望む力」の3つの力がある。
マイクロスコープ
・できない理由を特定する
意志力のチャレンジにおいてやるべきことはなにか?なぜそれを行うのが難しいのか?
・もうひとりの自分に名前をつける
意志力のチャレンジにおいて、せめぎ合う2つの自己はそれぞれどんな自分なのか考えてみる。賢い方の自分はどんなことを望んでいるか。
意志力の実験
・「選択した瞬間」を振り返る
意志力のチャレンジに関して一日のあいだに行った決断をすべてふり返る。
・5分で脳の力を最大限に引き出す。
毎日5分の瞑想をおこなう。
第4章 「罪のライセンス」のポイント
意志力のチャレンジに取り組むにあたり、道徳的によいことをしているような気分になると、よいことをした分、悪いことをしてもかまわないような勘違いを起こしてしまう。道徳的な善し悪しよりも、自分の目標や価値観をしっかり見つめること。
マイクロスコープ
・自分の「言い訳」を知る
意志力のチャレンジで成功すると「やくやった」と自分をほめ、つぎは「悪い」ことをしてもかまわないと開き直っていませんか?
・「あとで取り返せる」と思っていませんか?
今日はダメでも明日挽回すれば大丈夫、と言い訳することはありますか?その場合翌日にはちゃんとやりとげていますか?
・誘惑のキーワードを見つける
いいところだけに注目して(脂肪ゼロ、環境保護など)悪いことを正当化していませんか?
意志力の実験
・「なぜ」を考えれば姿勢が変わる
よいことをしたのだから自分を甘やかしてもかまわないと思っているのに気づいたら、それがごほうびに値するかどうかではなく、自分は「なぜ」よいことをしたのかと考えてみよう。
・「明日も同じ行動をする」と考える
日によって目標をかなえるための行動にばらつきが出ないように注意
第6章 「どうにでもなれ」のポイント
落ち込んでいると誘惑に負けやすくなる、罪悪感をぬぐい去れば、自信がもてる。
マイクロスコープ
・あなたが恐れていることはなんですか?
テレビ、インターネット等で見聞きする情報で、ストレスを感じるものに注意
・つまずいたとき自分に「何」を言っていますか?
意志力の問題で失敗をしたとき、罪悪感をおぼえたり、自己批判をしたりしていませんか?
・「決心するだけ」を楽しんでいませんか?
自分の行動を変えるために具体的な努力をするより、みごとに変わった自分の姿を想像していい気分にひたっていませんか?
意志力の実験
・根拠のある方法を実行する
本当に効果のあるストレス解消法を試そう。スポーツ、読書、音楽、家族や友達と過ごす、クリエイティブな趣味の時間を過ごすなどがおすすめ。
・失敗した自分を許す
失敗しても、自分に対して思いやりを持ちましょう。そうすれば罪悪感のあまり失敗を繰り返すことを避けることができます。
・決意を持続させるためのシミュレーション
自分がいつどんなふうに誘惑に負け、誓いを破ってしまいそうかを予想してみましょう。
まとめ
わたしも意志力の強い方ではないので、今まで続けようと思ったことを続けられなかったり(ほんとに三日坊主が多いです)してきました。
本書は、なぜ続けられないのか、なぜやまられないのかについて、最新の知見に基づいて毎週実験を行うかたちで詳しく解説されています。
自分の意志力に自信のない人にとってとても参考になる内容です。
わたしも、今後はこの本の内容を「実践」して行きたいと思います。
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